僕のやっていることはデザインではない

過去にこんな言葉をいただいたことがあります。
「君のやっていることはデザインとは呼べない。」
これは上京間もない頃、デザイン制作会社の面接にて言われた一言です。
当時は、東京で『一流のデザイナーになる』と息を巻いていましたが、ことごとく就職に失敗。
諦めの悪い私は開き直り、「制作会社に入れないなら一人ででもやる！」と決意し、
そして、見知らぬ地東京で経験ゼロ・クライアントゼロのフリーランスがスタートしました。
今、振り返るとこの一言があったからこそ今の自分がいると思っています。

僕のやっていることは
デザインではない

過去にこんな言葉をいただいたことがあります。「君のやっていることはデザインとは呼べない。」これは上京間もない頃、デザイン制作会社の面接にて言われた一言です。
当時は、東京で『一流のデザイナーになる』と息を巻いていましたが、ことごとく就職に失敗。諦めの悪い私は開き直り、「制作会社に入れないなら一人ででもやる！」と決意し、そして、見知らぬ地東京で経験ゼロ・クライアントゼロのフリーランスがスタートしました。
今、振り返るとこの一言があったからこそ今の自分がいると思っています。

卓上のデザインにしない

そんな何も持ち合わせていない自分を売り込むためにとっていた行動は、自分で考え、自分で動くこと。営業・企 画・制作・経理これらの業務を全て行ったからこそ、デザインに落とし込むノウハウが卓上の思想でなく、経験に基づいたものにより設計されるようになりました。今考えれば、人・お金・時間と現実的に向き合う時間が長かっ たことが、今のデザインに生きていると感じています。制作会社に入っていれば、それらとどこかリアルに向き合うことが出来ず、どこか機械的にデザインを行っていたかも知れません。現在の経営的視点から、デザインを設計する境地には届いていなかったと感じています。

専門性に特化しないことが専門性

行政・IT・医療・芸能・飲食・他にも様々な業種のデザインを、紙・web・動画まで展開しています。私は冒頭で述べた通り、初めからフリーランスでゼロからです。製作会社勤務中に培った経験による、得意分野や専門性を持ち合わせていません。全てのデザインを上司に教えてもらうこともなく、実践で展開してきました。私はジャンルを問わず、デザインの考え方に軸を持っています。そこに『得意なデザイン』『個性』『専門性』というものは必要ないと感じています。100通りの問題があれば100通りのデザインがあります。あらゆる問題に対し、ヒトとコトを繋ぐお手伝いをすることが私の仕事です。様々なジャンルの仕事をしていることが、応用力と問題解決に対し的を得る力をもたらしました。専門性を持ち合わせていない広い知識による応用力とコミュニケーション力こそ私の専門性です。

デザインはカタチの翻訳

多種多様なジャンルへの展開を経験できたからこそ、デザインがもたらすゴールをしっかりと見定め、企画からディレクションしていく仕事のやり方に繋がっています。その中でグラフィック表現がもたらす役割は、”メッセージをわかりやすく伝える事”です。それは翻訳作業に似ていると思います。翻訳家は、人種や文化の中に生まれたニュアンスも正しく言葉に変換し伝えます。メッセージを伝えたい相手がどんな気持ちで、どんな場所にいて、どんな時間を過ごしているのか。伝えたい相手にあった表現を見定め送り届けること。デザインはそれを言葉ではなく、カタチで瞬間的かつ感覚的に伝えるコミュニケーションツールと考えています。

デザインの使い方がわかる

私にとってデザインは、オシャレなモノでも奇抜なモノでもありません。何も特別なものではなく、生活の中にあり、伝え て繋ぐものです。デザインのポジションをコミュニケーションツールと位置づけることで、ヒトとコトを繋ぐ手段はより 明確になります。私はコンサルティング領域の戦略設計も行います。価値の創造を念密に行い、それらをデザインで届け る。目的への全体図を設計できるからこそ、トータルディレクションが出来ます。それらを現実的に経営として捉え、ブラ ンディング視点で戦略立案出来るのは”自分自身がやっていたことだから”と最近は思います。『ゼロからのスタート』何 も持っていない私が、こうしてデザイナーとして大手～個人に至るまでたくさんのお客様とお仕事し、経営を持続させて いる。何もない自分自身をブランディングしてきた張本人だから見える物があるのです。