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良いデザイナーになるには良い人になる

■良いデザイナーとは

良いデザインってなんだろうなあ。。
と毎日のように考えています。

10年以上デザインに携わっていますが、未だに多くの発見があり気づくことが多い。

知れば知るほど奥が深いのがデザインの世界だと感じています。

じゃ良いデザイナーってどんな人かな?

有名なデザインの賞をとっている人。大手広告代理店で誰もが知っているプロジェクトを手がけている人。対外的な評価を受けている人なのかも知れません。
私なりに良いデザイナー像はいつも模索しています。頭に浮かぶデザイナーも正直いますね。

良いというのも色々な要素があって感じることですが、その中の一つで私が大切にしていることを今回は書こうかなと思います。

良い人であること

その一つとして良い人であることです。自分のことを棚にあげると、
見た目。。。犯罪者顔。
喋り方。。。関西弁。
出身。。。岸、、、、、

んーー。第一印象で良い人だと思ってもらえる自信まったくありません。。

まあ私が良い人というところは一旦置いて、デザイナーとして仕事をするとき良い人であることを意識し、演じ、向き合います。
この良い人という人物像は、気配りのできる察しのいい人です。

デザインは相手を想うことができるかでその仕上がりに影響が出てくると思っています。

そしてこれはその相手によって何が親切なのかが変わってきます。

たとえば、佐藤さんは辛いのが苦手だから、味付けは甘口に。
でも鈴木さんは辛いのが好きだから辛口に。

とか人の好みに対して気遣いができるかどうかって相手を思うことですよね。

これがデザインにおけるターゲット戦略では必要不可欠ですが、今回は大枠の戦略部分の話ではなくデザインの細かな部分でもこの親切心がクオリティを上げるというポイントをいくつかあげて見たいと思います。

 
親切な人の目線を持つ

たとえば文字。
多分小さすぎると読めないだろうなあ。とか。逆に大きすぎると、うっとしいだろうなあとか。このデザインを見たときに受け手がどう思うか。を想像します。相手にとってどうあれば親切なんだろうとかを想像するんですね。

など、どうやったら親切なのかなって考えれば考えるほどデザインのクオリティは上がっていくと思います。
ユーザーと見えない会話を想像することでコミュニケーショが生まれます。

レイアウトや大きさだけでなく、どういった素材でデザインを見せているのか。どういったシュチェーションで見るのか。

屋内でポスターを展示したい。屋内はライトが強くコート系の紙やラミネート加工は反射してしまって見ずらくなるかも。
じゃ紙はマット系の方がいいかも。とかデザインは素材や状況も想定します。

さらに最初で述べた『佐藤さんは辛いのが苦手』みたいに、ターゲットの人物像が戦略の時点でより鮮明になっているとその人にあった親切な事柄を想像できますよね。
コンサルティング領域の戦略の話の上に、専門的な構図だったり色の話だったりっていう技術が乗っかり、それらにプラスして良い人という目線を持つことで、より細かな部分にも配慮が行き届き、良いデザインができる。良いデザイナーでいれる。とか考えたりしています。

良いデザイナー=良い人であること。詳細な部分のデザインクオリティーを担保する上で重要だと考えている部分でした。

1.美しくすること デザインで出来ること

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今期クリエポではこんなメッセージを引っさげて会期に望みました。

今回はその1『美しくすること』について触れていきたいと思います。

デザインと聞いて美しいということは連想され易いイメージと思います。

綺麗で洗練されているものを見ると美しいと感じます。これは感性の部分に大きく影響し感じる物だと思います。今回は直感的に感じる美しさ=抽象的・感性の部分もデザインとして大切ですが、デザインの美しく見える技術的な部分について一部かきます。

デザインをする時にはアウトプットに合わせて小さな工夫が施されています。その実例を少し紹介します。

アイコンデザイン

実際に作ったアイコンです。全6タイプシリーズ化のこのアイコンデザインでは統一性を持たせるためのツクリのルールを設けました。

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角のアール部分に一定の定められたサイズの円を用いアールの統一を図ります。

また、ピクトから伸びる腕の角度や足の角度にも30°45°60°120°と角度のルール基準を設けます。

そしてブラウジングを意識しピクセル数値は偶数で設計します。実際に使用される際に拡大縮小した際ピクセル表示では奇数のオブジェクトは割り切れないため下図のように比率が変化してしまいます。

スクリーンショット 2015-08-14 16.47.18

比率が変化するとオブジェクトが意図したサイズにならずわずかに左右どちらに偏ってしまったりなど正確な形を保つことができません。

このような技術はロゴデザインやフォントデザインにも応用しています。

 

 

食品写真色補正

トマトの画像です。少し色味が濁っていて鮮度に欠けている様にも見えます。0813013810

少し全体的な彩度を上げて明暗のバランスを大きくします。

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画像は少し極端にしていますが、より新鮮で美味しそうに見えます。

色のバランスを少し変えるだけでも写真は美しく変化します。

 

印刷の黒

印刷では通常4色CMYKのインクで印刷されます。黒を印刷する場合、それぞれ紙や用途に合わせて使い分けをします。黒といっても一つではないんですね。文字や細かな印刷をする場合、黒100%単色の黒(墨べた)が適しています。1色1版にすることでズレが起きる可能性がないためです。

そしてもう一つの黒がリッチブラックと言われる黒です。黒いインクにその他のカラーインクを足して黒を表現します。墨べたに比べ締まりのある深い黒になります。背景などベタ面に適しよりムラなく仕上げることができます。 紙によってはインクが乗り辛い紙があります。画面上では同じ色なのに印刷ではこういった一工夫がより美しい仕上がりに影響してきます。黒以外の色でも2色で作れる色を4色で作ることもあります。また、デザインによっては白引きなど色を入れる前に白を一旦印刷してから印刷を行うなどの方法もあります。

印刷は変化する
印刷の黒について触れましたが、紙種によってインクが沈みやすい(思い通りの発色にならない紙があります。)以前にあった事例から、濃色の紙にオフセット印刷で白を印刷した時よりもシルバーを印刷した場合の方がより明るい色になりました。これはインクの粒子が粗いシルバーの方が紙に対してインクの沈みがなかったことによる現象です。白を綺麗に魅せたい場合はオフセットではなくシルク印刷が適切であると判断します。

 

 

このようにデザインではアイデアだけではなく、ちょっとした工夫で感覚的でなく絶対的に美しくみせる技術があります。その技術を用いビジュアルイメージを確実に美しくすることが出来るのです。あくまでこれらの技術面は基本であり、この基本を持って新たにビジュアルイメージを考えます。それを支える技術のほんの一部を紹介させて頂きました。

デザインご相談はhttp://www.firsty-g.com/

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1.美しくすること

2.記憶に残ること

3.整理すること

4.読み易くすること

5.伝えること

デザインでできること