あまり大きな声では言えないことですが、
過去に仕事で、あの時にこうしていれば
ちゃんと確認してれば.…..
というような経験があります。
なにを隠そう私は、東京タラレバデザイナーです。
とはいえ、なんの事業においても自分のサービスを振り返り改善することこそが、サービス向上につながると考えています。優良な企業はお客様の声に敏感でアンケートをとったり、コールセンターなどそれらの改善につながる体制を整えていますね。
さて、私のようなフリーランスにとって、仕事の悪かった点があった場合、次のチャンスがおとずれないことがおおい。サービス内容がよくなかった場合=関係を切られてしまいます。この結果のみが残酷にものこり、どこが悪いかなど教えてくれません。自分で考えるしかないのです。
私は会社で上司に怒られるような機会がありません。なぜなら、はじめからフリーランスだったからです。
結果が全ての世界でしか仕事をしていません。
ということは、同じような経験をもっておられる方も多いでは?
サービスの向上を行うためには、改善点を見つけることが一番。それはわかっていたんですが、自己判断ではどうしても甘さが出てしまう。自分の判断ではなく、他人の意見でないと本当の改善点など見えないのでは?
と感じていました。
じゃ、悪いところを話し合える機会を作ってみてはどうだろう!!
そう思い、ディスリカイという会を企画してみました。
物事をディスることにより、その改善方法を考えるという名前からしてかなり攻撃的な企画です。
実際、この名前から参加しづらいと最初から不人気です。。
disりを中心にした内容なので、そのような印象を受けるのも当然ですよね。
しかしながらこう言う偏屈な発想につきあってくださる仲間が集い、一歩ずつではありますが内容が固まってきました。
今回はその内容が非常に面白い結果となったので一例ご紹介してみたいと思います。
◼︎シンプルをディスる
この回のディスリテーマは”シンプル”です。
デザインやその他クリエイティブで、シンプルにするということは、伝えたいメッセージをよりわかりやすくするためにも非常に有効な手段です。実際に有名なクリエイティブは非常にシンプルなものが多いですね。
そんないいところばかりのシンプルを、今回はあえてディスってみました。
・何かわからない
・記憶にのこらない
・インパクトが弱い
・手抜きに見える
・実態がない
…………..
などなど他にももっと多数の意見が出ました。
そこでディスりを繰り返し浮かび上がった点。
『実態がない』ということです。
シンプルとは何?何をもってシンプルというのか?
これって人によって様々なんですね。
◼︎ガラケーとスマフォってどっちがシンプル?
お話が変わりますが
最近、私は仕事用にガラケーを購入したんですね。
すると、、、
使い方まったくわからない。。。
これって、ちょっとおもしろいなと思ったんですが、
スマフォとガラケーってどっちがシンプルですか?
スマフォの方が機能が多くて複雑な感じしますよね?ガラケーはシンプル携帯とかいわれてますし。
でも、使い慣れたスマフォよりガラケーのほうが複雑って思ってしまったんですよ。
ボタンも多いし、メニューもいっぱいあるし。でもスマフォ持った当初は絶対にスマフォの方が複雑って感じてたと思います。
若い人にとってスマフォは”シンプル”という回答が多くなったんですね。
逆にお年寄りにとってはどうですか?ガラケーのほうがシンプルで使い易いって思う方が多いですよね。
この時点で”シンプル”っていうのは環境によって変わるものだということがわかりますね。
もう少し掘り下げてみます。
今回は、様々な視点が欲しかったので、デザイナー、コピーライター、映像クリエイター、音楽クリエイターなど多種多用なクリエイターの方に集まってもらったんですが、
映像クリエイターの方が思う”シンプル”も面白くて、例えばCMですが
シンプルの定義として商品が直接出てくるようなCMでもその情報が多くては複雑、商品を遠まわしにPRしてもカットが同じで伝えたい情報が少なければ”シンプル”。
音楽クリエイターの方は音の音階の複雑さより音の複雑さを”シンプル”でないと定義し、例えばタンバリンだけの演奏だと非常に”シンプル”と感じてしまいますが、音としては複雑と感じてしまう。
”シンプル”というのは環境やその人の捉え方によって変わってしまうものなんですね。
このような討論を繰り返すことででた答えは
スマフォとガラケーの例えでもあったように
人は理解出来るものをシンプルと感じ、
不理解を複雑と思うのではないか。
”シンプル”とはそれほどあやふやで危険性のあるもの。
◼︎表裏一体
またもう一つの特徴として悪い点で浮かび上がった
・何かわからない
・記憶にのこらない
・インパクトが弱い
・手抜きに見える
その他多くの意見のほとんどは、全く真逆の効果=いい点でもあるんです。
・何かわからない – わかりやすくするためにシンプルに
・記憶にのこらない – 記憶にのこすためにシンプルに
・インパクトが弱い – インパクトをつけるためにシンプルに
・手抜きに見える – 実際はシンプルにするための引き算の作業に多くの手間がかかる
普段クリエイターをやっていると必ず現場で飛び交う、”シンプル”という言葉。
このシンプルの特徴と危険性を熟知した上で扱い、より良いクリエイティブのパフォーマンスが発揮できれば良いなと感じた会となりました。
シンプルというテーマでその定義に関して議論すればこのような結果は簡単に出たでしょうが、『ディスる』を掛け算したことによって、シンプルが持つ特徴につながったことは非常に面白い化学反応になったかと思いました。
つまり、『ディスり会』とは単に悪口をいう会ではなくディスることにより理解を深める『THIS理解』です!
今後も精力的に会を続けていくつもりですので、ご興味ある方はご連絡ください。