デザインでできることその4=読み易くすること
読み易くするためには文字を大きくすればいい。確かにその通りですが、単純にそうではないです。
記載できる情報量が多くなると、文字を大きくすると収まりきれない場合もあります。
主に文章と簡易表があるブランディングのプレゼン資料が仮にあったとします。
まずはなにもしない資料、文章量が多くてなんだか読む気しないなあ…と思いませんか?
実際にこれを読み易くしていきましょう。
文字の大きさ
文字と言うのは大きければ読み易いというわけではなくきっちりと整理して大小をつけることにより読み易くなります。また文章は行間を整えるとさらに読み易くなります。
文字の大小をしっかりとつけて、行間を調整した物です。余白もとれてなんだかすっきりしましたね。
文字(FONT)を選ぶ
文字を小さくした分、漢字が見にくくなってしまいました。このように文章の文字を小さくするとき、または長文の際は
細めの文字を使用します。
または明朝体で!!
明朝体は小さな文字や長文での可読性に優れ、読み手の疲労を軽減させる書体と呼ばれています。新聞や小説などの主に文章のみの媒体によく用いられていますね。
逆に見出しやタイトルなどインパクトを与えたい情報には太い文字が有効です。
字間
文字間を調整します。
見出しとなる文章の文字の間隔を狭くします。
英語や()などの約物の余計なスペースを埋めます。
どうでしょうか?
見出しのブランディング、特にディンの部分の余計な空白がなくなりよりタイトルらしくまとまりました。これとは逆に空白をあえて空ける方法もありますが、それはデザインや伝えたい内容によって使い分けしたりします。
また()等の間に余計なスペースがなくなり横に読むと流れが良くなりますね。
このbefore、Afterでは文章の端もそろえています。beforeに比べafterは右端もそろっていて気持ちよいです!
その他、文字間で気をつけることが多いのが数字です。
とくに”1″は前後に余計な空間が出来易い字です。
名刺などの電話番号などは必ず調整しています。
文字(FONT)選びその2
文字には等幅フォントとプロポーショナルフォントというものがあり、字の幅が均一かそうでないかという違いです。プロポーショナルフォントの方が美しく自然な形をしているので可読性に優れ文章や見出しにも向いています。
等幅フォントなんて見にくいし、いいとこなし!使えないよ!
…
ということはなく、等幅フォントにも向いた状況はあります。
何もする前の資料です。
最初は箇条書きと表の部分全てプロポーショナルフォントの明朝体を使用しています。
プロポーショナルフォントでは表の中の英数値と表の下の英数字がガタガタで揃っていなくてなんだか見づらいですね
等幅フォントだと一目瞭然!綺麗にそろって見やすい!!
英字フォント
英字フォントはオシャレなフォントや力強いフォントなど色々な形があって面白いですね。英字フォントを選ぶ基準として女性らしいデザイン=かわいいフォント等、デザインに合わせ雰囲気の合っているフォントを選びますが、ここにも不向きがあります。
この二点のフォントをポスターのタイトルとして選んだとします。ポスターは遠くからでも見えるようにすることが大切です。
遠くからぼんやり見た時に下のフォントではaとoが混合してしまい紛らわしいですね。この場合は上のフォントが適切といえます。
文字の形や特徴をしっかりと把握してユーザーの環境に合わせた書体選びが大切だと考えています。
合成フォント
この文章では合成フォントといって、色々な文字を組み合わした文字を使用しています。私がよく使う、漢字=新ゴシック、かなカナ=ネオツデイ、英字=Helvetica_Neueの組み合わせです。かなカナ=ネオツデイは新ゴシックよりも形が柔らかく文章によいリズムがつき読み易くなります。英字も新ゴシックはカクカクしているのでHelvetica_Neueの方が美しいです。
文字を選ぶ基準は環境やアウトプットによって変化し、それぞれ適正なフォントを心掛けて選んでいます。プレゼン資料は基本的にはゴシック系を選びます。プロジェクターなどでスクリーンに映し出すことも想定した場合、モニター上ではゴシックの方が適しているからです。
印刷物でも印刷方法により大きく変わります。オフセットなら気にしない点も、シルクスクリーンや箔押しなら文字潰れが起きる場合もあります。紙種でも同様。
かっこいいという理由だけではなく、読み易くするための小さな工夫も考えてデザインしています。
最後にbeforeと最終形を見比べてみてください。
before
after
どちらがプレゼン資料として先方に喜ばれるでしょうか?
その4『読み易くすること デザインでできること』でした。
www.firsty-g.com
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1.美しくすること
デザインでできること