タグ: グラフィックデザイン

上から呼んでも山本山。下から呼んでも山本山。

新年明けまして、一ヶ月が経過しました。

昨年は第一子も生まれ、本年はおかげ様で非常に充実したスタートがきれました。
皆様どうぞ本年もよろしくお願い致します。

さて新年一発目の更新は、

『上から呼んでも山本山。下から呼んでも山本山。』です!

昨年は少し落ち着いた時間があり、デザインについて色々と考え悩むこともありました。

『デザインは生活の中にある。』そんな言葉を常に頭の中で考え、どうすれば使い易いか?どうすれば伝わるのか?どうすればもっと目を惹くデザインになるんだろう?と自分の仕事を振り返ってはダメ出しの毎日です。

『生活の中にある。』この言葉は凄くプロダクトだと想像し易い言葉で、例えば

これをグラフィック、平面のデザインに置き換えたときには読み易さとか意図の伝達というところに注力する。という部分に凄く目がいきがちで、生活に触れているかと言うと、少しうーんと感じてしまいます。

しかし、『生活の中にある。』ではなくもっと大きく『豊かにする。』という言葉に置き変えた時に何かモヤッとしていた物が凄くクリアになった気がしました。
私はデザインをするときにこれを使う人はどういった人か、どういう人の目に触れるのかを考えています。そしてこのデザインの先にある『人』と、どうコミュニケーションを図れるか。それが凄く大切なことだと考えています。

 

 

『名刺貰ったけど、、、繫がっていない人おおいなあ、、』

個人事業を経営していると、当然頂く名刺も多く、しかしながらその頂いた名刺の方と何かしらで繫がる機会は非常に少ない。すごく寂しいことだと思っていました。
そこで昨年から考えていたことを一つカタチにしてみたのが、年賀状です。
一方通行の年賀状ではなくて何か一緒にコミュニケーションを図れる手段はないかと考えてみました。届いた年賀状を見て、ちょっとワクワクしていただけないかなあ。と。。

じゃ、デザインを逆に完成させてもらおう!と思いました。
そして
年賀状=紙ではなく、webも利用してコミュケーションを図れないかと考えました。

感謝の気持ちを込めて少しだけワクワクしてもらえないかなあーと。

それで考えた年賀状が↓

IMG_8069

この年賀状には

[新年明けましておめでとうございます。突然ですが!!新年早々、重要なミスを犯してしまいました。。恥ずかしながら裏面に一本重要な線を引き忘れてしま いました。。。裏面では今まさに、おサルさんが落ちそうなのです。どこかに一本の線を引いておサルさんを助けていただけませんでしょうか?昨年も大変お世 話になりながらこのようなお願いごと、恐縮ではございます あなた様が引く一本の線でこのデザインは完成致します。ご協力頂ければ幸いです。]

nenga2

というメッセージが記載されています。
(印刷には風合いあるレトロな印刷法を使い文字がプリッと浮かび上がったり蛍光色を織り交ぜたインクを使用。遊び感溢れる仕様にしました。)

お猿さんのイラストに一本の線を足すことによって完成するビジュアルの答えをWEBと連動させ、その答えと共にお客様に対する感謝や自身のデザインに対する想いを告げる。またそれによるWEBページへのアクセスも目的の一つです。

答えページへ

おかげ様でこの年賀状を機に新しいお仕事やコンタクトを頂くこともできました。折角頂いた名刺を少しでも活用できて、新しい繋がりが増えたことがとても嬉しいです!!

 

はい。この発想こそ、『上から呼んでも山本山。下から呼んでも山本山』です。
年賀状において伝えたいメッセージは日頃の感謝です。でもこの紙で送る年賀状の目的を果たす方法は何もお宝くじ付き切手を貼って綺麗な、はがきを出すということではなくて、、、

つまり紙じゃくてwebでも良いわけで。今回はこの年賀状と言う素晴らしいコミュケーションツールを下から読んで見ました。

 

つまり『上から呼んでも山本山。下から呼んでも山本山』とは、

同じ着地点に対し、どう発想の転換ができるかです。今回の着地点は[新年の感謝の気持ちとご挨拶]。この着地点にゴールするために年賀状というコミュケーションツールを上から読むと紙でのアウトプット、下から読むとWEBでのアウトプット。

おそらく紙という枠の中では世の中には素晴らしいデザインが無数にあって、現在の世の中ではあらゆる手法がたくさんあり、素晴らしいデザインが満盈している。だから山本山を綺麗に書くこと(秀逸なビジュアルを追求)を競うのではなく下から読んでみる。でも大切なのことは、下から読んでもちゃんと”山本山“で、人と違う発送を求め過ぎてしまって着地点(目的)を見失ってはデザインではないですね。
差別化を図るあまり、まったく伝えたいこと(目的)が達成されない。下から読むと”山本山“。でも上から普通に読むと”本山本“になってしまうとそれは目的を果たしていないことになります。。。

大切なことはやっぱり上から呼んでも山本山。下から呼んでも山本山。ってことです。

こうやって平面デザインで図れるコミュニケーションは、利便性という点では 『生活の中にある』というのは難しい課題かも知れませんが『豊かにする』という広い視野で見ると、何も使うもの(プロダクト)でなくても、人を違った角度から楽しんでもらったり、一緒に何かをしたりなど間接的なコミュニケーションでも人を豊かにすることが出来るのかなあ。なんて思っています。

『豊かにする。』
この事を心掛けて今年一年もどうすればそのデザイン触れた方の生活や心が『豊か』になるのかを自分なりに考えていこうと思います。

『上から呼んでも山本山。下から呼んでも山本山』『豊かにしたい』、そんな課題がもしありましたら、いつでもご相談ください!!

E-mail info@firsty-g.com

TEL 050-3396-8467

FIRSTYGRAPHICS 泊裕一

http://firsty-g.com/

それでは本年も何卒よろしくお願い致します!

 

5.伝えること デザインでできること

スクリーンショット 2015-07-08 11.02.04

デザインでできること最後はその5=『伝えること』です。

ここまで『デザインでできること』では技術的な部分多く触れて記してしましたが、ビジュアルを構築する上で最も重要な要素は技術ではないです。

技術はあくまで装飾をきれいに見せるテクニックであり、極論を言えば、しっかりと機能したデザインであれば子供が書いた落書きでもよいのです。最も大切なことはそのビジュアルを通じてナニを伝えたいか?それが伝わる方法が最もふさわしいのが子供の落書きならそれが最も必要なデザインです。

そう言ってしまうと今までの技術的な話は意味がなくなってしまいますが、用は的を得たコンセプトがないと、いくら洗練されたデザインでもその効果が得られない。いわゆる機能をしないデザインになります。まずはそのコンセプトをしっかりと練り上げた上に今まで記したような技術を取り入れることで、より効果を得られるということです。

 

 

では、そのコンセプトを明確化するためにはどのようなことを行うか。

デザインの世界以外でもよく用いられる5H1W

・いつ(When)

・どこで(Where)

・誰に(Who)

・なぜ(Why)

・何を(What)

・どのように(How)

その中でも・誰に(Who) ・何を(What) ・どのように(How)この3点について触れてみたいと思います。

 

イメージ分布図

例えば、下記のような図を用いて

shouhin

 

その商品が持つ特性=何(What)とはどのような特徴なのかを探るために他社商品との関係性を図案化します。類似商品や対称商品の特徴を整理し、どのエリアに分布するのか?を図にすることで解り易くなり、新たな発見があるかも知れませんね。

 

 

 

 

 ターゲット別エリアマップ

さらに商品別ターゲットを検証し、誰に(Who)伝えたいのかを確認しながら

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自社商品と他社商品の関係性を把握しながら、自社商品が目指す的確なターゲットエリアをさぐります。

 

 

 

 

 

類似ブランドとの競争

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例えば、既存の高級ブランドとの類似エリアの商品を開発している場合は、その類似=ライバル商品に対し、既に顧客に浸透しているイメージと同類のデザインイメージを利用しターゲットに伝えるための戦略が考えられます。

あるいは、そのエリア内で全く別のブランド価値を模索し差別化を見い出す、などのデザイン戦略を図ります。

 

 

 

対称エリアで差別化

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イメージ分布図を用いればライバル商品の少ないエリアも明確化するため、他社との競合を避け「大人に憧れる若者に向けた新感覚商品」、若年層向けのクールなイメージエリアに着目した商品開発など、コンセプトから見直し戦略も考えられます。

こうしてお客様とともに確認し、共有を図りながらコンセプトを築き上げていきます。

そうした確認作業を繰り返し、出来上がったコンセプトをどのような媒体で商品化し、どのような形で発信していくのかを考えデザインに取り入れます。小さなことですが、この共有をしっかりと行い足並みを揃えることでプロジェクトの方向性に軸を作り、その軸を元に展開します。様々な展開物で的を外さないようにビジュアル軸を構築することで

間違えないデザインができます。

この展開=Howどのように発信するのか?
に繫がり、特性=何を(What)誰に(Who)というところをしっかりと見据えた軸があってこそ、どのような(How)発信方法が有効なのかを選択できるのです。

 

 

 

 

ターゲット

誰に(Who)という中でも、大まかに女性、若者層という絞り込みの中には様々なグループがあります。

 

ターゲット別集中力(時間と媒体とターゲット)

本来、人と言うのは集中力の維持が難しいので興味のない長い文章などを読むことはできません。

ただ、この集中力は興味によって変化します。興味のない参考書の文章は一行でも、もういいや。と僕ならなってしまいます。しかし、自分が好きな作家さんの小説や友達の手紙なら長い時間をかけても一気に読めたりしませんか?

例えばこの集中力をターゲット別に3つのグループに分けます。

grup

Aグループに情報量の多いチラシをデザインしたところで中々うまくいきません。それはまだ、入口にしかいないからです。こういったターゲットには情報のシンボライズ化が有効と言えます。いきなり多くの情報を文章で読ませたところでまず興味という入口に入っていないターゲットでは必ず失敗します。そのため、初見のターゲットが手にしたチラシ(短時間)には、まず興味を引くことができるビジュアルを考える。
そしてC既に利用したことがある=すでに興味があるということは、もっと知りたいターゲットと分類します。このターゲットは長い時間を掛けて情報を知ろうとするので多くの情報を取り込む集中力があります。このようなターゲットにはパンフレットやWEBで多くの情報をしっかりと整理したデザインが有効です。

このようにターゲット(who)をしっかりと想定するとどの情報(what)ビジュアルをどのような時間媒体(How)チラシ?WEB?で伝えるのかがより明確化し有効なデザインを考えることができます。

 

 

ビジュアルだからこそ伝わる

人は基本的に集中できない。と記しましたが、その短時間の集中で伝えることをデザインは可能にしてくれます。そしてそれはデザインの本質であると言っても過言ではないかも知れません。秀逸なデザインは言葉を越え、言葉を巻込むものだと思います。

言葉だけでは伝わらないこと

実際のお仕事からその例を抜粋させていただきます。
『伸びる服』
この言葉だけでは『伸びる』ってことは伸縮性の高い服というイメージになりますが、『伸びる』という言葉だけでは洗濯したときに伸びるというようなマイナスのイメージにも繋がるかもしれません。しかしこの言葉にこのようなアイコンを添えてみればどうでしょうか?
highkick
(DEEPER’S WEAR、HighKickシリーズの商品ブランドアイコン)
服の伸縮性という商品の利点が正しく伝わりますね。またこのアイコンを入れることにより文章を少なくし読み易くしているのです。余計な文章を削ぎ落としシンプルにするだけで、言葉が意味を瞬時に伝え、文章を読み易くするのです。

 

 

 

伝えることの裏側に隠されたコンセプトメイク。このコンセプトをしっかりと形にするために発信していく方法として記憶に残ることで触れた継続性や意外性が重要とされ、そして大切な商品情報を正しく伝えるための優先順位を整理し、読み易くすること、そして一つのビジュアルとして美しくすることで、より伝わるデザインとなると考えています。

コンセプトだけではなくまた技術だけでもなく、小さな一つ一つの要素を総合して伝わるデザインができ、そして機能します。

デザインは動くことも言葉を発することもない。しかし、人の言葉を代弁し、伝えるためにこそあるものだと考えています。私がデザインをするうえで最も大切にしていることは、デザインの先の相手を想像し、そこにコミュケーションがあることです。

 

 

あとがき

5回に分けてデザインについて触れてきた 『デザインでできること』

部分的ではありましたが、その技術や考えについて記してみました。

日々お客さまの抱える問題と対面し、どのようにすれば正しく伝わるのか?そのことにいつも頭をひねり創造する毎日です。人がどう思うか?という感情の部分に触れるデザイン。その答えはいつも不確かなものです。その不確かなものをカタチとし発信するための解は、自身の経験や知識、デザインという枠の中では収まりきれない世の中を知るということであるということに直面し、日々努力の毎日です。

先に触れた『子供が描いた絵』にハッとする。練り上げられたコンセプトよりも、不確かな一瞬に心奪われることもあるのがビジュアルです。言葉では説明のつかない力は確かにあります。デザインはアートとは違うものになると思いますが、理論や技術に溺れすぎない様にデザインと向き合っていかなければと最近はよく思うこともあったりします。

 

まだまだ微力ではありますが、何か皆様の手助けができれば幸いです。

 

 

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他記事へ
1.美しくすること

2.記憶に残ること

3.整理すること

4.読み易くすること

5.伝えること(現記事)

デザインでできること

 

 

4.読み易くすること デザインでできること

スクリーンショット 2015-07-08 11.02.04

 

デザインでできることその4=読み易くすること

読み易くするためには文字を大きくすればいい。確かにその通りですが、単純にそうではないです。

記載できる情報量が多くなると、文字を大きくすると収まりきれない場合もあります。

主に文章と簡易表があるブランディングのプレゼン資料が仮にあったとします。

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まずはなにもしない資料、文章量が多くてなんだか読む気しないなあ…と思いませんか?

実際にこれを読み易くしていきましょう。

 

 

文字の大きさ

文字と言うのは大きければ読み易いというわけではなくきっちりと整理して大小をつけることにより読み易くなります。また文章は行間を整えるとさらに読み易くなります。

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文字の大小をしっかりとつけて、行間を調整した物です。余白もとれてなんだかすっきりしましたね。

 

 

文字(FONT)を選ぶ

文章には大きさに応じて適した文字と太さがあります。
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文字を小さくした分、漢字が見にくくなってしまいました。このように文章の文字を小さくするとき、または長文の際は

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細めの文字を使用します。

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または明朝体で!!

明朝体は小さな文字や長文での可読性に優れ、読み手の疲労を軽減させる書体と呼ばれています。新聞や小説などの主に文章のみの媒体によく用いられていますね。

逆に見出しやタイトルなどインパクトを与えたい情報には太い文字が有効です。

 

字間

文字間を調整します。

見出しとなる文章の文字の間隔を狭くします。

英語や()などの約物の余計なスペースを埋めます。

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どうでしょうか?

見出しのブランディング、特にディンの部分の余計な空白がなくなりよりタイトルらしくまとまりました。これとは逆に空白をあえて空ける方法もありますが、それはデザインや伝えたい内容によって使い分けしたりします。
また()等の間に余計なスペースがなくなり横に読むと流れが良くなりますね。
このbefore、Afterでは文章の端もそろえています。beforeに比べafterは右端もそろっていて気持ちよいです!

その他、文字間で気をつけることが多いのが数字です。

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とくに”1″は前後に余計な空間が出来易い字です。

名刺などの電話番号などは必ず調整しています。

 

 

文字(FONT)選びその2

文字には等幅フォントとプロポーショナルフォントというものがあり、字の幅が均一かそうでないかという違いです。プロポーショナルフォントの方が美しく自然な形をしているので可読性に優れ文章や見出しにも向いています。

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等幅フォントなんて見にくいし、いいとこなし!使えないよ!

ということはなく、等幅フォントにも向いた状況はあります。

何もする前の資料です。

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最初は箇条書きと表の部分全てプロポーショナルフォントの明朝体を使用しています。

 

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プロポーショナルフォントでは表の中の英数値と表の下の英数字がガタガタで揃っていなくてなんだか見づらいですね

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等幅フォントだと一目瞭然!綺麗にそろって見やすい!!

 

英字フォント

英字フォントはオシャレなフォントや力強いフォントなど色々な形があって面白いですね。英字フォントを選ぶ基準として女性らしいデザイン=かわいいフォント等、デザインに合わせ雰囲気の合っているフォントを選びますが、ここにも不向きがあります。

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この二点のフォントをポスターのタイトルとして選んだとします。ポスターは遠くからでも見えるようにすることが大切です。

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遠くからぼんやり見た時に下のフォントではaとoが混合してしまい紛らわしいですね。この場合は上のフォントが適切といえます。

文字の形や特徴をしっかりと把握してユーザーの環境に合わせた書体選びが大切だと考えています。

 

 

 

合成フォント

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この文章では合成フォントといって、色々な文字を組み合わした文字を使用しています。私がよく使う、漢字=新ゴシック、かなカナ=ネオツデイ、英字=Helvetica_Neueの組み合わせです。かなカナ=ネオツデイは新ゴシックよりも形が柔らかく文章によいリズムがつき読み易くなります。英字も新ゴシックはカクカクしているのでHelvetica_Neueの方が美しいです。

 

文字を選ぶ基準は環境やアウトプットによって変化し、それぞれ適正なフォントを心掛けて選んでいます。プレゼン資料は基本的にはゴシック系を選びます。プロジェクターなどでスクリーンに映し出すことも想定した場合、モニター上ではゴシックの方が適しているからです。

印刷物でも印刷方法により大きく変わります。オフセットなら気にしない点も、シルクスクリーンや箔押しなら文字潰れが起きる場合もあります。紙種でも同様。

かっこいいという理由だけではなく、読み易くするための小さな工夫も考えてデザインしています。

 

 

最後にbeforeと最終形を見比べてみてください。

before

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after

 

 

y26

どちらがプレゼン資料として先方に喜ばれるでしょうか?

その4『読み易くすること デザインでできること』でした。

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1.美しくすること

2.記憶に残ること

3.整理すること

4.読み易くすること

5.伝えること

デザインでできること

3.整理すること デザインでできること

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デザインでできることその3整理すること

前回記憶に残ることでも少し触れましたが、整理すること=情報の整理です。伝えたい事柄、記憶に残したい事柄を整理し、ユーザーの理解を目指します。

 

優先順位

人が記憶できる領域には個人差がありますが、まず多くの情報を記憶することは困難です。そのため、あれもこれもと情報をつめこんだところで必ず失敗します。

そこで順位をしっかりと考えて整理することが大切です。またそれは媒体やそのユーザーの興味によって左右されます。

 

イベント会場で配られたチラシと?ゆっくりと座れるカフェで配られたチラシならどちらがゆっくり見れるでしょうか?

もちろん後者です。つまり前者でそのチラシに目を通す時間は非常に短いと考えられます。そのため、そのチラシ全面に多くの情報を入れたところで意味がありません。まずそのような短時間が予想されるチラシでは興味を引く入り口を一つだけ作ることが大切です。そのため情報の整理は要素を少なくし、重要度TOP1.2の情報のみをまずは目立つように整理する必要性があります。そしてその情報は文字だけではなく絵や写真のビジュアル要素が有効でしょう。

後者の場合(カフェ)は比較的落ち着いてチラシをみれるので情報料を多くできるものでもあります。

 

短時間

ポスター・看板

 

中時間

チラシ・フライヤー

 

長時間

WEB・カタログ

 

ここで簡単に展示会ポスターのレイアウトを3パターン考えてみました。

画像1

a

 

画像2

b

 

画像3

c

 

 

それぞれ適したレイアウトはどれでしょうか?

A.展示会前に店舗などで目立つよう高い位置に張られたポスター

B.駅構内に張られたポスター

C.展示会当日の会場前に看板として立てるポスター

 

 

a

画像1=まずタイトルがレイアウトされ、展示内容がその下、ポスターの縦中央付近にレイアウトされています。当日、立ち寄った来場者の興味が引けるようにこの情報を目立つようにしています。またビジュアルもポスター全体にレイアウトされポスター全体にイメージ要素イラストが広がっています。そして展示会情報、では時間(10:00〜17:00)とホール(A-3ホール)の文字が強調され大きくされています。

このレイアウトは「C.展示会当日の会場前に看板として立てるポスター」を想定して作成しています。

展示会開催情報はもう既にそこに足を運んでいる来場者がみるものですから時間とホール情報 以外の開催日•住所などは削除しても良いくらいの情報になります。また、当日に立て看板としてあるポスターですので目線は同じ高さ〜少し低い目線になりますので中央付近に情報と魅力をレイアウトし、来場者の興味を引けるようにしています。

 

b

画像2=文字要素はタイトルのみを左上〜中央あたりにレイアウトし、ビジュアル要素となるイラストを含めポスター全体の3分の2くらいでまとめています。そして下部分3分の1に情報を固めています。

このレイアウトは「A.展示会前に店舗などで目立つよう高い位置に張られたポスター」を想定して作成しています。

高い位置に張られるポスターなので、上部分には展示会の魅力を伝えるイメージ要素をメインにし、読ませたい情報は見上げなくても読みやすいよう下部分に固めてレイアウトしています。店舗に張られたポスターということで時間としても中時間ですので、文字のまとめ方もしっかりと告知しておいても読んでもらえます。

 

c

画像3=最後に「B.駅構内に張られたポスター」を想定したものです。歩行中に目にする物ですから横向きで少しでも視界に入るように横向きでレイアウトしています。

また、駅構内という条件は目にする時間として短時間ですのでタイトルの近くの目立つ場所に開催日を、そしてまた3パターンの中で最も本文コピーを大きくしています。会場情報開催時間は詳細としてまとめています。この段階ではまず詳細情報よりも展示会の魅力と最低限の情報日程を伝えるためのレイアウトを考えてみました。短時間=この記事前半でふれていた興味を引く入り口を強調しています。

 

三点とも少し極端なレイアウトでしたが、このようにポスターを見る人の状況、時間や位置、今回触れていませんが距離、サイズ、季節、興味などによってレイアウトも変わっていきます。状況に応じて正しく情報を伝える整理術、優先順位を常に考えることにより、より効果的なPRに繋がります。あれもこれもが失敗の原因にならないように情報整理から考えてデザインに取り入れています。

 

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